………ーーー。
あの国会議員の暗殺の仕事を終え、部屋に戻ってきた。
刀を腰から外し、それを力なくその場に落とすと、私はそのまま浴室に駆け込んだ。
服を着たままで服が濡れるのも気にせずに、上から流れてくるシャワーにうたれた。
「…………。」
シャワーに落とされ、タイルを流れる血を黙って見つめた。
これは私の血じゃない。全部返り血だ。
いつも人を斬ったあと、私の身体のあちこちに飛び散る血。
いつもはなんとも思わないのに、たまに襲ってくる血を洗い流したくなる衝動。血への嫌悪感。
しばらくして シャワーで洗い流しただけじゃ落ちなくなってタイルを流れるお湯は透明になったけど 服には赤黒い血のしみができていた。
「………っ」
耐えられなくて水気を含んだ服を脱ぎすてる。
身体全部が血で汚れてる気がして壁にかけてあったボディータオルでこする。
でも………。
落ちてくれない。
汚い……。汚い……。
私は汚い。
肌が赤くなってもとにかくこすり続ける。
「いっ……!」
ついに、腕から血が滲んでいた。