懍華の反応が容易に想像できて俺は小さく笑みを溢した。
京華としてのあいつがどう反応するかは、分からないけどな。
懍華としてのあいつのことなら、はっきり分かる。
「うっわぁー。 恋仲の女の子のことを想ってニヤニヤする鬼副長……。真面目に気持ち悪いんですけど。」
ピキ……。
「あ、恋仲『だった』女の子ですね。今は懍華じゃなく京華なんですから。京華としてのあの子は、土方さんの恋仲でもなんでもですよ??」
だった、の部分を強調する総真。
ピキピキ……。
こいつ わざわざ人の神経逆撫ですれようなことばっかり言いやがって。
「ていうか、土方さんてムッツリですよね。根性ごと変態に染まりきったようなその存在消したほうがいいんじゃないですか?そうですよ。それがいいです。土方さん、今すぐ死にましょう。京華ちゃんのことは土方さんがいなくてもちゃあんと責任持ちますから大丈夫ですよ?ニコ」
……プチ。
今まで俺の中で切れかけていたなにかが、今度こそ完全に音をたてて切れた。
「総真ぁぁぁぁぁぁ!!!!
「何ですか?僕は本当のことを言ったまでですよ。」
「てぇぇめぇぇぇ!!!!そこに直れっ!今すぐ斬ってやる!!」
「二人ともやはり相変わらず仲がいいなー。」
「……そうですね……。」
「………。」
刀を持ち出し、抜刀して追いかける土方に逃げる沖田。
命がけの鬼ごっこをしてる2人をガハハと豪快に笑いながらのん気に傍観する近藤。
近藤の一言と土方と沖田を見合せ頭を抱える斎藤。
そんなことは目にも耳にも入らないと言うように相変わらず蹲っている藤堂であった。