駿助のやつ
話聞いてなかったのか?
「だって、さんざん無視されて『藤堂平助って知ってるか』って聞いただけなのに、知らないって睨まれたんだぜ!?睨む必要がどこにあったの!?あいつが睨むと、まじで怖いんだって!」
てか、懍華のやつ
質問にはきっちり答えてんだな。
「あいつが人を睨むのは今に始まったことではないだろう。」
「そうだねー。懍華ちゃんって初対面だろうがなんだろうがとことん睨むし、無視するしね。」
確かに。。
俺らも最初の頃はめちゃくちゃ睨まれたからな。
懍華はそうやって、人との間に壁を作って人と接点を持たないようにしてた。
今もそうなんだろうな。
……て。
「そういえば、総真。あいつ、今はなんて名前なんだ?」
「あれ、言いませんでしたっけ?」
「言ってねぇよ。」
てか、お前から、まともな報告なんて受けてねえっつーの。
「染羅木京華ですよ。」
京華。
京(ミヤコ)の華…か。
いい名だな。
てかよ、
幕末んときに京華のがよかったんじゃねぇか??
京(キョウ)の華みてぇな存在だったしな。
……とか言ったら、たぶんあいつ…懍華は、京に赤い血の華を咲かせ続けたから…確かにそうかもね、とか自嘲気味に笑うんだろうな。
俺が言いてえのはそんなことじゃねぇのにな。