「………そういうあからさまな無視やめない??結構傷つくし。」
「………。」

別にあんたが傷つこうが私には関係ないし。


「………じゃぁさ 無視でもいいから一個だけ答えてくれない??」

頑なに無視する私に諦めたらしい。

こうなったら早く答えて、ここを出たほうがいい。

そう思って視線を戻した。

「…………」 


たぶん ものすごく不機嫌な顔になってるだろう。

自覚はしてる。


「俺 藤堂駿助(トウドウシュンスケ)。」

はい、自己紹介いらない。どうでもいい。

どうせ覚えないし。

んなのいいから早くして!

イライラが表情に出ていたのか、いないのか。

「『藤堂平助』って名前覚えてない?」


藤堂平助……。

あんたと一字違いの名前なのか。

………うん。はい 知らない!


「知らない。」


大して考えてないけどめんどくさいから適当に答えた。


「………そっか……。」

こいつ……藤堂は寂しそうな悲しそうな表情をして顔をふせた。


「…………。」


「……ごめんな!急に変なこと聞いて」


ばっと顔をあげたかと思ったら、藤堂は明るく笑って言った。


私はそんなやつを置いて屋上を出た。