ー京華sideー
屋上のドアを開けて外に出た。
風がやけに心地いい。
私は、屋上の隅にあるタンクの陰に腰をおろした。
お昼はいつも持ってきてない。
お腹すかないし、どうでもいいから。
ただあの箱の教室にいるのはどうしても嫌だ。
他人がいるところが嫌い。
他人が嫌い。
独りでいい。
独りがいい。
「……こんなところで何してんの?」
上から声がした。
「…………。」
……誰かいたの??
私は視線を声がした方に向けた。
声の本人はいつのまにか私の横に立っていた。
………誰??こいつ。
「……………。」
「……ひとり??」
小柄でどこか幼さが残るこいつ。
一年か?
「…………。」
はぁーー。
独りになれると思ってきたここで人に会うとか最悪。
私はそいつの存在を無視して立ち上がり、屋上を出るため、ドアに向かう。