紅憐鬼


だが………。


「お命頂戴いたします。」

「え………」

次の瞬間、

社長室には血溜りができていた。
窓には男の血がべっとりと。


女の前には男の死体。

女はただ憐れな死体と化した男を見下ろしていた。





後には、血に染まった刀を持ち、返り血に濡れた紅い瞳の女鬼がただ月明かりに照らされていた。