シュタン!
「………こんばんは。」
突然女の声がして 振り返るとそこには、女が一人、音もなくたたずんでいた。
「君は誰だ?」
男は女に問い掛けた。
「…………。」
女は答えない。
ただ何の感情もない瞳で男を見つめる。
女は一歩一歩男に近付いていく。
そして
にこっと笑い言った。
「月……、綺麗ですね。」
無表情だった女が笑った。
それに見とれていた男は、突然の女の言葉に半ば驚きつつ、再び空を見上げる。
背中に、女が近づいてくる気配を感じ、隣にくるのかと思った。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…