* * * * あの時の声は、目覚めたときにはすっかり忘れてしまっていた...。 忘れられる筈が無いのに...。 「リリス?寝ちゃった?」 返事の変わりに規則的な寝息が聞こえてきた。 そっと起きないように、ベッドに寝かす。 漆黒の髪を、愛しそうに指に絡めて梳いた。 「これからは、ずっと一緒だ」 額に軽くキスを落とし、部屋を後にした。 これから起きる悲劇は、この時は知る由も無かった―――