手紙を捨てようとした時、部屋の扉が開いた。
「ルイス、また手紙を捨てるのか?」
「父上...」
部屋に入ってきたのは、父上だった。
「気持ちは解らんでもない、だがもう二年経つ。
そろそろ、結婚相手を探さないか?」
「それは十分承知しています。しかし、もう他の誰かを愛す自身がないんです」
父上と目を合わせることが出来ず、俯いて話す。
リリス以外の人を...きっともう愛せない。
「お前ならそう言うと思った...だがもう少し考えなさい。
お前はこの国の王子だ。いつかはこの我を継ぎ国王になるのだ。その事を良く考えなさい」
そう告げると、そのまま部屋を出て行ってしまった。