ルイスも驚いていたけれど、何も言わずに優しく微笑み大事に育ててくれている。

二人の大切な大切な宝物――――



愛される事を知らなかった彼の魂が、きっと生まれ変わってまた戻ってきてくれたんだと思う。



彼が知る事が出来なかった愛や幸せを、私たちで沢山沢山送ってあげよう。
幸せに、暮らして行こうね…。



「リリス、こんな所にいたのか?」


「ええ、この子もこのバラを見ているのが好きみたいで…」


愛おしい人に微笑みながら、あたりを見渡す。
何も変わっていない、綺麗なバラ園。



そこに幸せそうに笑う二人と腕に抱かれる小さな男の子。



「守るよ…何があっても。この国も、大事な仲間も…。リリスも…



―――そして……デカルトも……」


腕に抱いている小さな宝物を見つめながら、優しい声色でそう囁いた。









~end~