そう言われて自分の体に違和感を覚えた。
何かが抜けたような…すごく軽い…。
「待って、これ…!」
“破滅の力ごと消えてやるよ。お前は…そうだな。幸せに暮らせばいい…”
ジワリと涙がにじむ。
どうして…そんな事まで…。
私は何もできなかったのに…。
“言っとくが、何もできないのに。なんて思うなよ?この俺が初めて恋…ってものをした。その相手だ、これ位したって罰は当たらないだろ”
そう言って笑う彼に、何とか不格好ながら笑い返した。
もう、彼の体はほとんど透けている。
「ありがと…ありがとう…」
ポロポロ落ちる涙は止められぬまま、何とか微笑んで何度もお礼の言葉を繰り返した。
“じゃあな…”
するりと頬を微かに風が撫でたかと思うと、デカルトの体は解けるように光の粒になって消えていった。

