...あの雨の中抱きしめられた時に思った。

デカルトの腕の中はとても暖かくて、かけてくれた言葉は本当に優しかった。




彼は本当に悪い人なのか...。今はそれが酷く曖昧になってしまった。
あんなに暖かくて、優しく言葉を紡ぐ事が出来る人が、ただ破滅を生み出すだけの存在だなんて思えない...いや、思いたくない。



「デカルトは...きっと寂しいだけなんじゃ...」

無意識にぽつりと呟く。
私も彼と同じ、破滅を生み出す存在に変わりはない。彼と何も違わない。



そんな私でも、ルイスに愛して貰えてる...。それは本当に幸せなこと。
でも彼は愛されることを知らない。愛されたことがないから...愛されることが出来なかったから...。