「ルイス様、お手紙が来ております」



部屋に運ばれてきた、沢山の手紙。
もう、中を見なくても何が書かれているかは解る。



各国の王族からの婚約の願い。
もう立ち直らなければいけないのは、わかっている。



でも、忘れられないんだ。
いつか帰ってくるんじゃないかって、また俺に優しく笑いかけてくれるんじゃないかって思ってしまう。



そんなことある筈ないのに―――



手紙はいつも読まずに、処分する。
今回もそうだ。



こんなもの、俺には必要ない。