破滅の女神~続編~


「離れたくないっ…離れたくないよぉっ…うぅ…」



デカルトはリリスを抱きしめる腕に力を込めた。
強く抱きしめてしまえば、直ぐに壊れてしまいそうな程に、今のリリスは弱々しい。


それに、この雨の中走った為ドレスは泥で汚れている。
転んだのだろう、頬にも泥がついて汚れてしまっていた。


見るからに痛々しく、同情まで湧いてきそうだ。


ひとしきり泣いたリリスは、そのまま腕の中で眠ってしまった。



ぎゅっと服を握り締めて眠るリリスを見て、俺は今までに感じたことの無い思いに戸惑った。
今までリリスは、この国を滅ぼす為に利用するだけの存在としか見ていなかった。



しかし、今俺はそれだけの感情だけでなく、もっと別なものでリリスを見ているような気がする。
それがなんなのか、なんとなく想像が付く。


しかし、すべてを滅ぼすだけに存在する俺が、こんな感情を抱く事などあり得ない。




「あんな男でなく、俺を見ればいい。俺だけを見ればいい…。」



泣くリリスの顔を見るのは、なぜか胸が酷く痛む。