視界が紫色の髪で埋まってしまう。
「デカ…ルト…?」
驚いているのか、戸惑いがちにデカルトの名を呼んだ。
…なぜ、俺はリリスを抱きしめているのだろうか。
自分でも理解できない。
ただ無意識に、体が動いていた。
このまま放っておいたら、リリスが消えてしまいそうで。
雨がこのままリリスを攫ってしまいそうに思えた。
そんな事あるはず無いのだが、それ程までに彼女が儚く見えた。
「俺には、お前が本当にそう思っているようには見えない。素直に言ったらどうだ?」
そう耳元で囁くと、我慢が切れたそうにリリスの瞳から涙が溢れ出す。
「私っ…嫌われたくないっ!ヒック…ぅ、嫌だよぉ。またっ、一人になりたくない。
ずっとっ…一緒に居たいよぉ…っ」
必死にデカルトにしがみ付き、ひゃっくりを上げながら必死にリリスは言葉を発する。

