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扉の隙間から、二人の様子を探る人影.....
それはダリアだった。

「っく…」


整った眉をゆがませ、手の平に爪を食い込ませる。

ジワリとした痛みが手に感じられるが、全く気にならない。



「あの女…私のルイスに口づけするなんて…」



ギリっと綺麗な赤い唇を噛んだ。



「許さないっ…許さない…っ!!絶対に許さない。
必ずルイスを奪ってやるんだから…。




嫌われちゃえばいいのよ。そうよ、嫌われればいいのよ。」



ククッとのどの奥で笑いをこらえる。



「貴方なんて、大っ嫌いなんだから。
ルイスは私の者なんだから…」



扉にかけていた手を離し、その場を後にした。