不安な気持ちを抑えたまま、王室に向かう。
「…あの、失礼します。王様」
扉をノックして、部屋に入る。
そこにはルイス様も居た。
「リリス、少しいいかね?」
恐る恐る頷いた。
王様も、少し表情が曇っている。
ルイスは怒っているみたい。
「実はな、この城でしばらくダリアを預かることになったのだ…」
「…え?」
王様の言葉に、私は目を丸くした。
ダリア…って、あのダリアさんだよね?
何でまた…そんな…。
「最近、彼女が体調を壊してしまったそうなんだ。
ビリアに見てもらうにも、そう毎日隣の国にもいけないという事になってな。
体調が治るまで、ここで預ってほしいと頼まれたのだ。
リリスの事もあるんで、断ったには断ったんだが…何しろ向こうの国とも色々かかわりもあるんでな…」
正直、ダリアさんの事でいい思い出は一つもない。