「なーんだ。 紗歩、一目惚れしたんだ」 「まだ好きとか決まってない!でも……あぁーバカッ!」 半分、八つ当たりで俺の頭を叩く紗歩。 「痛いって!!!」 「いつまでも一目惚れをバカにしてたら痛い目見るわよ!? 奏馬が一目惚れした時 あたし助けてなんかやらないんだから!」 そう言って紗歩は ズカズカ先を歩いて行った。 ――――俺が一目惚れ? 「ふっ……有り得ないね」 簡単に人を好きだなんて 俺は思わない ――――絶対に。