無言の時間が続く・・・。
聞きたいことはたくさんあるけど、何から聞いていいか分からない。


話すタイミングがない。

レンさんはというと、ずっとタバコを吸っている。
タバコ・・・・


この不思議な時間を埋めたくてタバコが吸いたくなってくる。
さっき買ったタバコがあるから吸えるな・・・・


「・・・あの、」

「なんだ?」

「ライターかしてもらっていいですか?」

「・・・・あ、お前まだタバコやめてねぇのか」

「・・・・あ、はい」


そうだった、忘れてた。この人タバコ嫌い疑惑だったんだ。
眉間にしわなんて寄せちゃってるし・・・

怒らせたら怖そう。

「中2のガキが吸うもんじゃねぇよ、その1箱でやめろよ」

差し出された銀色のジッポ。
1箱は吸っていいのか・・・


「ありがとうございます・・・けど・・」

「なんだ?」

「私中2じゃないですよ?」

「あ?お前14って言ってたよな?」

多分それは、私達が初めて会ったときのこと。路地裏で会ったとき、言った記憶がある。
覚えてたのかーーー


「私3月生まれなんです、だから中3です」

「そうか、そしたら受験生だな」

「はい」


・・・・レンさんは、どこか冷めている喋り方だな・・と最初思ってたけど、話してみれば意外と結構喋る人みたい。


この会話をきっかけに、少し話をした。
受験生と言った私に、どこの高校受けるんだ?と聞いてきて、高校名を言うと偏差値高いじゃねーかって言って来た。


だんだん目を合わせて話せるようになって、初めてはっきりと顔をみると男らしいカッコイイ顔があった。