背中。 壱 (更新中)


誰もいないキッチンと呼ばれる場所に行き、一応ある冷蔵庫を開けてみる。
この冷蔵庫もほぼ、インテリアと化してしまっていた。


殆どなにも、入っていない冷蔵庫からいつか買って来たオレンジジュースを出し一気に、飲みほした。


この、キッチンには料理道具なんてものはない。
小学校2年生の時に引っ越してきたけど、誰かがここで料理してるなんて見たこともない。所詮キッチンも、インテリアなんだ。

誰もいないこの家を、寂しいと思ったことはあまりない。
私には友達がいたし、なによりお姉ちゃんがいた。
たとえ、親の温もりや優しさに触れてなくてもお姉ちゃんがいたから、大丈夫だった。




別に、お腹がすいていた訳でもないので朝食は取らずのんびりと過ごした。


午後になって、ダイから起きたのメールが入り出かける準備をした。
部屋に入り、ハンガーに掛けておいた白いワンピースに袖を通す。


これで、高1ぐらいには見えるだろ・・・
高2のダイと歩くもん、子供っぽいって思われたくないし。今日ぐらい、背伸びしてもいいよね?


そのあと、いつもしない巻き髪なんかにも挑戦してみることにした。
これも、子供っぽく見せない為。
雑誌を、片手に‘クリスマスのヘアー特集!!これで彼のハートをゲットだ~‘のページを見ながら、ひたすらコテをすべらせた。