疲れきった顔をしたサラリーマン。
あの人がいなくなってから、3分も経っていないのにもう姿はない。
いきなり現れて風のように去って行くのかよ………
「サクラ?」
「うわっ!!」
いきなり話掛けられて、ビックリした。
そこに居たのはサナ。
「うわってなによ、うわって」
「いきなり話掛けるからでしょ?ビックリするから止めてよね~」
本気で驚いた私に笑うサナ。
本当にコイツは…………
「そんなことよりさー、今レン先輩見ちゃったんだけど!!凄くない?」
「……レン…せんぱい?」
「え?もしかしてサクラ知らないの?」
「……いや、レンなんて名前どこにでもあるじゃん。どちら様のレン先輩か分からないし…」
レン先輩……。私の知り合いではない。
だとしたら、サナが知っている先輩ってことになる。
そんなの私が知らなくて当然だ。
「サクラ本当に知らないの?レン先輩だよ?ここら辺を仕切ってるってゆーか…皆のトップってゆーか……とりあえずあの有名なレン先輩だよ!!」
仕切ってる……?
トップ……?
有名……?


