「早く帰れよ。」
それだけ言ってその人は表通りへと行ってしまった。その後ろ姿を見て確信した。
あの後ろ姿は……
あの背中は……
この間見た人だった。
なんだか疑問ばかり残る。
何で、あの人は私に話掛けてきたんだろう?
いつからあそこに居たんだろう?
何で、私のこと心配するんだろう?
一体誰なんだろう?
単なる正義感の固まりのような人でしか、考えられない。
ーーーもう、いいや。
サナの所にいかなきゃ。
思い出して急ぎ足で、表通りに出た。
そこには、もうあの人は居なくて仕事帰りのサラリーマンがいたりした。


