背中。 壱 (更新中)


「早く帰れよ。」


それだけ言ってその人は表通りへと行ってしまった。その後ろ姿を見て確信した。


あの後ろ姿は……
あの背中は……


この間見た人だった。

なんだか疑問ばかり残る。

何で、あの人は私に話掛けてきたんだろう?
いつからあそこに居たんだろう?
何で、私のこと心配するんだろう?
一体誰なんだろう?



単なる正義感の固まりのような人でしか、考えられない。

ーーーもう、いいや。


サナの所にいかなきゃ。
思い出して急ぎ足で、表通りに出た。

そこには、もうあの人は居なくて仕事帰りのサラリーマンがいたりした。