でもその人達はこんな私に声すら掛けない。
それは、中学生だってわかるからだ。
中坊が偉そうにタバコ吸ってるから。
こんな所で。
「……おい。」
「……………」
「……おい。」
「………え?私…?」
「あぁ、そうだよ。私。」
………誰この人?
いきなり話掛けられても………
知っている人なのか
それとも私を襲おうとする怖い人なのか……
分からない。
そして座っている私からは顔が
暗くてよく見えない。
「お前、学生だろ?」
「……っえ?」
「……学生だろ?って。」
私に向けられているとしか思えない質問。
ーーーえ?なに?
誰なん?
ーーーーーーー
分かった!この人補導員だ。
だとしたらやばい。
こんな時間だし…
こんな場所だし…
なにしろタバコ吸ってるし。
でも今の私じゃあ逃げる気にもなれない。
いっそ捕まって悪い子にでも
なろうか………
そんなときだった。


