「それぐらい覚えてるわよ、誰が生んだと思ってるのよ」



「そんなん、言わなくたって分かるわ。てか、何?用があるんじゃないの?」


早く会話を終わらせて部屋に戻りたい。
彼女の顔を見てると自然と自分と似ている部分を探してしまうから嫌。



「あんた、高校行くの?」


「は?」


「高校行くのって聞いてんのよ」


「行かないやつなんている?」


こうやって、小さいことにも反発してしまう自分はやっぱり子供なのかもしれない・・・

そして、ダイの言うように気が強いのかもしれない・・ね?
でも、いまどき高校行かない人なんている?


もう、受験は1ヶ月もないというのに娘がどこの高校受けるのかも知らない親もいるんだよ。


「あっそう、んで?どこの高校行くの?」


「・・・N高」


「ふ~ん・・私の子供にしては、いいとこ行くじゃん」


今すぐにでも、あんたの子供なんかじゃない・・・って言ってやりたい。
それを言う勇気が欲しい。


違う、言える年齢と権力が欲しい。

でも、戸籍上の私と彼女との関係は何をしても母親なんだ。


「んま、それが聞きたかっただけだから・・・・・
あと、今月分のお金置いといたから」


灰皿にタバコを押しつけながら髪をかきあげる。
彼女は灰皿に、自分の銘柄以外のタバコがることを疑問に思わないのだろうか?


母親らしいことをしたことない、彼女は気づかないだろう。