ダイの綺麗な顔ではなく、日に焼けた顔にぱっちりとした目
細い眉毛に耳にピアスが、左右2つずつ付いていた。
そのピアスは、綺麗に輝いていて思わず見続けてしまった。
ダイは1個だから、2個ついててもいいな・・って想う。
すべて基準がダイになってしまっているのかもしれない。
ピアスを見てた私に、なんか顔についてるか?と言われ・・ピアスしてるんですね
と言うと、いまどき普通だろと言われた
私は怖くて出来ませんと言うと、ピアスも開けれないならやっぱろガキじゃねーか
・・って笑われた。
凄く盛り上がる訳でもなかったけど、初対面なのに普通ぐらいの話ができた。
念願のパスタを食べれたときも、他愛もない話をした。
有名なレンさんは、口が数が多い方ではないけど
普通に話してくれた。
本当に本当に不思議な時間だった。
「そろそろ行くか」
その一言で席を立った。
お会計するレンさんに、自分の分は自分で払いますと言うと
俺が誘ったから奢らせろというから、甘えてご馳走になった。
帰りも、あのいかついバイクに乗りコンビニの前まで送ってくれた。
「今日はありがとうございました」
水色のヘルメットを、返しお礼を言った。
「あぁ、お前このコンビニにいっつも来るのか?」
「いつもって訳じゃないですけど、家から近いんで週5回ぐらいはきますね」
「それ・・・いつもって言うんじゃね」
「・・・そうかもしれないですね」
ほほ笑んでみた。
見た目は怖いけど、レンさんって以外に優しいのかもしれない・・。
「じゃあまたな」
「あ、はい。・・・あと!!」
バイクにまたがり発進させようとするレンさんに、思ってる以上に大きい声がでた。
「なんだ?」
「・・私の名前・・・、
お前じゃなくサクラです、サクラ!」
レンさんは、一緒に居た1時間程私のことを数回呼んだ。
それはすべて‘お前‘
名前を言わなかったし、しょうがない
「あぁ、分かった、じゃあな」
ブウォンと大きな音とともに居なくなってしまった・


