黙々と、分厚い資料の山を、机に置く先輩。 あっ、先輩って、すごくいい匂いがするんだなぁ。 「あのさ美羽。手伝えよ?」 「あ、はい!」 いけない。 つい、ボーッとしちゃった。 「あの…、先輩…」 「何?」 勇気を振り絞って声をかけると、素っ気ない返事が返ってきた。 「さっきからみんな、あたしを下の名前で呼ぶんですけど…」 「ああ、ただの習慣。いちいち気にするなよ」