その声を聞いた彼女はビクッとしてうつむいたまま硬直してしまった。

どうしたのかと見ていたら、あっという間に顔どころか耳まで真っ赤になっていく。



…………あーつまりそういう事か?

彼女のしたかった事はそーゆー事なのか?

なんだよ、誰か何か言ってくれないとボクまで顔が赤くなりそうじゃないか!

とりあえず彼女の硬直をとかないと。

ボクは立っていてもまだ低い位置にある彼女の頭を軽くポンポンとたたいた。

すると彼女はまだ赤い顔を上げ、潤んだ瞳で見上げてきた。

……カズホってこんなに可愛い娘だったっけ?

動揺する心を押さえつけて何気なさを装う。

「ホラもうすぐ先生来ちゃうから席につこう」

「あ、うん……」

ボクのこの反応は彼女の期待とは違うようだけど気付かないフリで視線を外して窓の外の雨を眺めた。

焦る必要はないのだと思った。