そのまんま、あたしはろくでもない方向に向いた。
見た目は人並み以上に良かったからか、男が寄り付くのも早かった。
あたしに初めて彼氏らしき人間が出来たのが、中学に上がるとき。
それを機会に、あたしたち二人は別に住み出した。
「響鼓、辛いかも知れん。寂しいかも知れん。そんでもな、母ちゃんは今日まであんたを死ぬ気で…ここまで育ててきた。あんたを成人させる、立派に、一人前の女にするのが母ちゃんの使命。だから母ちゃん、倒れるまで働く。
この母ちゃんの背中、よう見ときなさい」
引っ越したばかりの何も無い部屋で、母ちゃんはあたしにそう言った。


