母ちゃんの怒る基準は 『母ちゃんに迷惑をかけるか、かけないか』。 自分の力で解決できる事なら、大抵何をしていても怒りはしない。 行儀や作法は、舞妓さんだって勝てないだろうってくらい、あたしは自信がある。 髪を染めた、煙草がバレた、初めてのお酒で記憶が飛んで、親友の茜の家から帰れなかった… それぐらいは何も言わない。 「あんた、自分で責任取れるから、そんな事やってんでしょ??」 母ちゃんは、朝方帰ってきたあたしに、そう聞いた。