「美月?」


「……?!」

美月はまくっていた腕をすぐにしまって立ち上がった。


「びっくりしたぁ……早いな……真緒くん」」
「ああ……俺……今日、鍵開ける番やったからな。それよりどないしてん?」


美月は気まずそうにさっき見ていた腕を片方の手で抑えた。

「いや……なんでもない……大丈夫や」

「ケガ?、明日ライブやけど大丈夫なん?」
「ああ大丈夫大丈夫!!」
美月はそう言いながら自販機にお金を入れた。






















「……」


美月の腕。

何かにえぐられた痕がついていた。





















皐月



「大丈夫?」

「……ああ……おまえは?」

「……窓ガラスが割れただけだ大丈夫」

蓮は自分のベッドに寝かせた。傷は治ったが羽は多分もうどうにもならないだろうと思った。


「あいつが家にきたんだ」
「あいつ?て、もしかして美月さんと景さん?」

「……確か美月の方だ……最初は話を聞いてほしいって言うから聞いてたんだ。そしたらいつの間にか入りこんでた奴らに羽交い締めにされて美月って奴に殺(や)られそうになったけど……すぐに逃げて……まぁ……この様だよな」