あたしと蓮はビルの影の近くに降りて翼をしまってすぐに人だかりの中へ行く。


「!?……ひどい……」

「!?……」


蓮とあたしは倒れている干からびた死体を目にする。
そんな中、蓮が口を開く。

「また、痕がある。昨日一人、今日はまだ一人……さて明日は何人か」
「……」



確実に死人は増えている。
「!?」

スタジオビルから出てきた剣さんが視界に入った。






















「……」

やっぱり皐月ちゃんは吸血鬼やった。けど、あの事件を引き起こしてるとは考えられない。

「!?」

「どないしてん?大丈夫か?」
俺の肩を真緒くんが叩いて少し驚いた。

「あ、ああ……」

「剣……この前から変やで?」
「……いや……別に……」
俺ははぐらかした。

だって皐月ちゃんがやったって言う確証はない。それに皐月ちゃんが吸血鬼やって知れたら大騒ぎになる。

「そういや……皐月ちゃん遅いな」
「……え?」
「約束してたんやけど……」
「!!」


真緒くんが入口の時計を見た時、扉が開いて皐月ちゃんが姿を見せた。

「剣さん、ちょっと」

「え……」

「!?……ちょ……皐月ちゃん!?」