「例の事件のあれやろ?」

「まさかライブハウスで?」


「犯人おったってことやろ?」





「……」



いろんな声が聞こえてくる。
その時、蓮が口を開く。

「ここまでやるって相当だぞ……」

「……やっぱり例の……」
あたしはここまで酷いのはみたことない。
噛み痕がないかあたしは死体の近くまで行った。
蓮も隣にくる。

このライブハウスに吸血鬼がいたってことになる。
周りを見たがそれらしき人はいない。


「…………」



















真緒








俺は楽屋に入ると亜季以外いなかった。


「あれ?みんなは?」
「……なんかさっき騒ぎが起きて出ていったけど……」
「騒ぎ?」


確かに今さっき楽屋にいたスタッフはいなくなっていた。
外が騒がしいのもなんとなくわかった。





なんやろ……







そう思っている矢先に美月と景と剣が帰ってきた。



「あれ……マジかよ……テレビのまんまやん」
「あんなに人間が干からびるなんて……」
「……」

「一体なにがあってん?」


「死体が出てん……」
「は!?」
「テレビでやってる例の事件の、テレビで見たまんまなん……」