☆★
6月になり梅雨の時期に入った。
私はというと、放課後に入ったのにも関わらず、久しぶりにゆっくりと教室にいた。
理由は、今週は副会長が係りとか来週から始まるオリエンテーション合宿で、ドタバタしているらしく、
『今週は来なくていいよ♪』って言われたからだ。
だから私は自由を満喫するため、教室でのんびりしていた。
「…今日も雨なんだねー、山瀬くん」
「そうだな…。
そのお陰で、俺は部活が休みになってテンションが下がって立ち直れないよ、水野」
「あはははっ。確かに、山瀬くん部活好きだもんね」
山瀬くんは後ろの席で肘をつきながら、そして私は机に突っ伏しながら話をしていた。
まあ、こんな状況になったのもかれこれ10分くらい前。
ちょうどみなちゃんを待っていると山瀬くんが教室に入ってきて。
「…なああぁー、水野ー。俺の話聞いてくれよー」
とまあ、山瀬くんに突然愚痴を聞いてっと話を振られ、今に至っている…。
雨は止むことはなくて、独特な雨の匂いとどんよりとした雲を眺めることしかできない私は、
みなちゃんが帰ってくるまでという約束で、山瀬くんの愚痴をウンウンと聞いていた。
「…なあ、そういえば、南は??」
そろそろ、飽きてきたのか山瀬くんはキョロキョロと教室を見渡すと、首を傾げながら聞いてきた。
あ!そうだっ、山瀬くんに説明するのを忘れてた!!
「あ、みなちゃんなら日直で今職員室に行ってるよ」
ん?と傾げている山瀬くんに分かりやすいように黒板を指さしながら説明をした。