副会長の秘密





「…え」




な…なんで!?
副会長は笑ってるの…っ!!!?




状況が理解できなくて、ポカンとした顔で目をパチパチしていると。




「何、変な顔してんの。…まさか、怒られるとでも思ったわけ??」




いやいや、普通に考えたらそう思っちゃうよね!??
普通は!!




だけど今の私は反論するより先に、驚きの方が勝っていて…。




「…いや、そのっ……、ただ…」




驚いただけで…と言おうとした途端、ギュッと右手首を握る力が強くなった。




…………?




ばっと副会長に目を向けると、
副会長は顔を傾けてくすっと笑っていた。

でも、その笑顔はいつもと違って見えて……。



なんだか、いつも見ている人懐っこい笑顔とか、表情が読みにくい笑顔とは違う、見たことのない優しい笑顔だった。



思わず、ドキッとしてしまう。




「ばーか。
こんなことで俺は怒らないよ。

まぁ、からかいすぎたかな?ってちょっと思ったけど…、でもあんなの猫に引っ掻かれたぐらいしかダメージ無いから大丈夫🎵
俺強いからさっ」




そう言うと、ゆっくりと左手を持ってきて私の頭に載せると、ぼんぽんと頭を撫でた。




「……………。」



最後の一言………。
絶対、私のこと馬鹿にした……よね
いや…絶対に…!




「…馬鹿にしてますよね……」

「いやー、全然。全く馬鹿になんてしてないよー♪♪


……それに」



まんざらでもない顔でそう言うと、私の腕を引っ張った。