カタオモイ~特別な関係~

家に着き部屋に入りすぐに筆箱とノートを取り出した。

筆箱からはハサミを、
ノートからは綺麗に折りたたまれた新聞を取り出した。

新聞から私達クラスの写真を切り抜き、
手帳の始めのページの紙が挟めるスペースにそっと入れた。

透明なそのスペースからは、
自然な笑顔をしたクラスのみんなの姿が見えた。

私は一番前の列の右の端っこで、
人生で1番といえる程笑ってピースをして映っている。

そんな私の隣には、
同じようにピースをして笑う剛史の姿がある。

あの瞬間、私達は偶然だが、
隣に居て同じポーズをとり笑っていた。


これは本当に偶然だった。


だからこそ、胸が苦しくなるほど嬉しかった。



あの瞬間、私はカメラしか見ていなかった。


一年間ずっと追い続けた彼の姿を目から離したその瞬間、
1番望んでいた事が起きているとは知るよしもなく、



私はただ笑っていた。