カタオモイ~特別な関係~

夏休み・運動会・文化祭・修学旅行・・・

さまざまなイベントが季節の流れと共に過ぎていった。

私は相変わらず彼の姿を目で追い続け、
何度も偶然を装って彼とすれ違いざまに言葉を交わした。

「おはよう。」
「ばいばい。」
「また明日。」

この学校で何度、
彼と交わしただろう・・・

彼は覚えてはいないかもしれないけど、
この言葉たちは確かに私達の間に存在していたのだ。

そして卒業間際、
私は彼の事を名前で呼べる仲になった。

『剛史』

その名を口にするたびに、
私の心はやっぱりキュンと鳴った。