Tricksters2ッ



 今度こそ、本当に君の瞳に乾杯っとか言ってもらいたいわけだな。


「藍莉、ボディーガードがめちゃガン見してるけど?」


 シャンパングラスを片手に持って、ぐいっと飲み干す。レストランの入り口の男二人を指差す。店員も迷惑そうに二人を見ていた。

 藍莉の肩を抱き寄せる。


「二人きりになろうぜ」


「う……うん」



 李花ごめんな……オープンテラスの外は綺麗な夕日。


 テラスからは海が見える。桟橋は、ショッピングビルへと繋がっているが人通りは少ない。


 これから夜になると、綺麗にライトアップされた夜景が楽しめるはずだ。



 藍莉は、ボディーガードを「シッシッ」と手で払いのける。

 スキンヘッドとサングラスは、無言で頷いて店の外に出た。