テーブルの上にあるおしぼりで、手首をゴシゴシ拭いた。 あー、自由。サイコー! 「それで、藍莉目的はなんだよ? トリックスターズの買収か? それとも、ゼンへの復讐とか?」 藍莉は曖昧に微笑む。 「うん、なんかどうでもよくなっちゃった。色々あるけど……」 色々……一番厄介だな。 夕暮れのレストラン。スキンヘッドとサングラスがまた営業妨害してるから客は俺たちだけだ。 藍莉の円らな瞳が、“何か”を期待して俺を見つめる。