女の腕が俺の首に絡まる。香水の甘い香りが鼻につく。


 こうなれば、力づくで抵抗する。この女、なんか勘違いしてるみたいだし、俺の人生台無しにされたくねー!



「そんな冷たいこと言わないで……私、ずっと楽しみにしてたのに……」



 鼻をすする泣き声に、腕から力が抜ける。



「アナタに会える日を楽しみにしてたの。カレンダーに赤いハートの印つけて、毎日指折り数えてきたし……

 実際に会ってみたら、予想以上にタイプで嬉しかった……それなのに、逃げようとするし、意地悪言うし……

 私のどこが気に入らないか言ってよ!」