─────頭割れそう。
いや、むしろ一回かち割って粉砕してから、誰かもう一度組み立てくれ。
「うーっ…………」
俺、二日酔いって嫌いだ……好きな奴なんていないか。
「じゅんちゃん、おはよ。大丈夫?」
マンションの寝室。最近新調したダブルベッドの寝心地はまあまあだ。
「李花ー、水」
「はいはい。今日お仕事でしょ? はやく起きてシャワー浴びたほうがいいよ」
「ああそうだ……」
今日、平日か? 休みじゃねーのかよ。
「そうだぞ。じゅんちゃん
はやく起きないと遅刻だぞ!」
ガバッと布団をめくり飛び起きた。
ゼンが昨夜とは違うブラックシルクのスーツ姿で腕を組み俺を見下ろしている。
「おまえ……、まだいたのかよ?」
「一度帰ってから、また来たんだ。今日は最悪な一日になるだろうから。淳一の幸せそうな寝顔でも拝んどこうと思ってな」
「最悪な一日って?」
眉間にシワを寄せると、アイツはふっと柔らかい笑みをもらし「すぐにわかる」と言った。
「はやく着替えろ。李花ちゃん最高に甲斐甲斐しい彼女だな。朝食できてるぞ」