Tricksters2ッ



「誰にも渡さないなんて感情が自分にあるとは思わなかった」


「その台詞、そっくりそのまま返すわ」


「もう浮気はしないよ。親父も説得する」



「うん……」


 短いキスの雨。

 額に頬に鼻に目に……私たち、やっと……


 これって、夢じゃない?









「おーい、ゼン。ネクタイ仕上がった……ぞぉおって、うぉっ! 真っ昼間から何やってんだよ!!!」


 自分のオフィスでもあったからか、淳一くんは所長室に入る時にノックをしない。


「ああ? 何だよ。邪魔すんなよ。まだ、やってねーよ」


「と、当然だろ! 仕事終わってからにしろよ!」