疲れが一瞬で吹き飛んだみたい。ぎらついた目が、私を見つめる。
体がジンと熱くなる。理性と本能が、何かを相談しているんだと思う。
「俺は、ユカリを束縛なんてしたことないし、ソバにいてくれと頼んだこともない。
うちは少し特殊だから、ユカリが辛い思いしないようにって、ずっと考えてきた」
「わかってる……」
わかってるから手を離して欲しい。善太郎の吐息が耳にかかる。変な声をあげないように唇を噛み締めて、じっと我慢した。
「でも、ユカリ……教えてくれよ。俺のこと、どう思ってる?」
「善太郎……」
「淳一のこと見てきたら、自分のしてきたことが馬鹿馬鹿しくてさ。
アイツ、家のことも親のことも何も考えてないくせに、李花ちゃん一筋だろ? それなのに、めちゃくちゃ幸せそうなんだよ」



