Tricksters2ッ


────それから、数日後。
 最近まで警察に没収されていた俺の愛車で、ばあちゃんちへ向かう。


 助手席で李花が雑誌をめくった。


「藍莉さん、すごいねー。女性向けの斬新なドッキリスイーツのお店を始めたんだね!」


「ああ、アイツ逞しいからな……」


「豆腐なのにチョコって、どういうことだろ? 食べてみたいなー」


「気持ち悪……どんなドッキリだよ」


 李花は何かに閃いたようにパンと手を叩いた。


「じゅんちゃん、ケーキ屋さんとかは?」


「だから、何でケーキ?」


「李花が食べたいから! ケーキ屋さんやってよー、カフェがくっついてるケーキ屋さんとかどう? 李花ウェイトレスする」



「だから、俺はケーキなんて作れねーし! 柄じゃないし!」


「アハハハ! 確かに、ケーキ作るじゅんちゃん、想像しただけで笑える!」


「ウケてんじゃねーよ!」



 冗談言えてるうちはいいけど、世間の就職氷河期の壁は分厚くガッチガチだ。

 建設関係を中心に何社か面接受けたけど、どの会社も履歴書見た瞬間に「ご苦労様、帰ってください」って言われる。


 派遣や、バイトや、日雇い。

 手当たり次第に面接を受けてるのに、まるで手応えがない。


 父親になる前に、はやく就職決めないとな。

 変な広告の求人募集にも応募したり、かなり冒険もしてるんだけどな。