Tricksters2ッ


 毛先だけ緩く巻かれた髪がフローリングに広がり、李花はやっぱり恥ずかしそうに困ったような顔をする。



「李花、胸おっきくなったんじゃん? 成長期?」


 少し太ったか?
 そんなこと口が避けても言えないけど。

 包み込むように優しく抱きしめる。太っても李花は李花だ。最高に愛しい俺だけの李花だ。



「いや……」


「嫌?」


「じゅんちゃん、ごめん。李花できない」


 
 李花に拒まれたことなんて一度もなかった。


「どういう意味だよ!」


 つい、強い口調で言い返してしまう。何回お預けくらってると思ってるんだ。

 けっこう辛いんだよ!