「善太郎に、はやくあの会社を辞めて身辺整理をするように君から伝えておいてくれ」
「……直接言ったらどうですか? アイツなら今すぐそこの会場にいます。それにアイツは辞めないと思いますけど」
総理は、ふっと笑みを漏らした。
その顔は年はとっているけど、ゼンによく似ていた。
「善太郎は、私のいうことなんて聞かない。
だから、トリックスターズを辞めて身辺整理をしろ、と伝えておいてくれ」
ん?
それって、どう意味だ?
裏を返せば、トリックスターズを辞めるなってこと?
「愚息が世話になったな。会場の外から見てきたが宴会がはじまっていた。君も早く行くといい」
総理大臣が俺の肩を叩く。
「ああ、それから愛子さんには、いつも世話になっている。最近はすっかりお会いする暇がなくなってしまったが」



