「タカシ、爆発は中止だ。徳田善太郎が金を払うと約束した」 「なっ!? なんで、部長……」 だからといって、よりによって、なんで……この人なんだろう。 「佐伯部長……」 俺が元勤めていた会社の社長で、自己破産した。ゼンに採用されて、今は部長職についている。 ゼンに感謝する理由はあっても、恨む理由がわからない。 佐伯部長は涼しい顔で携帯電話を切ると、席を立つ。 「これで満足か? 詐欺師ZEN」