「ごめんなさい、もうしませんから!」
あ、謝り方も小学生のクラス会議レベル!
でも、藍莉は偉いと思う。親父や兄貴は何やってんだよ。
「トミックカラーズの今後は、自社で素晴らしい製品を作り出し、皆さんにライバルと認めてもらえるように頑張りたいと思ってます」
アイツ……
会社続けるんだ……
無意識に拍手を贈っていた。他の社員は、納得してない顔をしていたけど。
「淳一……ありがとう。大好き」
藍莉がそう呟くと、両開きの扉がまた開いた。
「徳田善太郎っ!」
会場に入ってきたのは、四角い顔をした髭面の親父と、あの香月峻だ。
香月峻の髪型からは、すっかり分け目がなくなり、短めに切りそろえた髪が無造作に散らされている。
良かった……改心したんだ。七三とおさらばしたんだな……
って、そこ重点じゃねーし!



