Tricksters2ッ



 藍莉は、マイクを握り締めたまま固まった。

 自分の会社がやった事の重大性に気づいてなかったんだろう。


 ゼンが隣で耳打ちすると、藍莉は大きく頷いた。



「あの、皆さんごめんなさい……それで、あのぅ」



 藍莉、頑張れ……

 アイツが昨夜、親父や兄貴と電話で口論していたのは知っている。

 ゼンに言われた通りに、なんでこんな事をしたのかアイツなりに調べたはずだ。