「盗撮! それって、淳一の生写真もあるの? 私、買うー!」
藍莉が手をあげて発言したから、会場中の視線が集中した。
「あんた、なんなのよ……」
内藤部長の呟きに、ミエちゃんが「そうよ、そうよ」て合いの手を入れた。
「私は……」
ゼンが、藍莉にマイクを渡した。藍莉は、困ったような顔をした。
「私は香月藍莉。あの世界的に有名なコウヅキ不動産ホールディングス代表取締役の可愛い末っ子ちゃんよ。
それから、トミックカラーズの代表取締役よ」
「トミックカラーズ!?」
トリックスターズ社員は、一様に声を荒げた。
会場は騒然とする。
トミックカラーズの名前が出た途端に皆興奮状態だ。
小学生のクラス会議レベルに皆さん勝手に発言をはじめた。
そりゃ、言いたい気持ちわかるよ。商品パクられて先に販売されたんだからな。



