ゼンは、豪華なソファーから立ち上がるとフラフラと歩き、窓に片手をついて俯いた。
「藍莉、キモいはないだろ。アイツ絶対生まれてこの方キモいなんて、言われたことないぞ。キモいて言ったこと謝れ」
「えー、だって私、結婚したくないもん」
「だからって、キモいはないだろ? ゼンのガラスのハートが、キモいて言われて傷ついちゃうだろ。キモいは、酷すぎる」
「淳一……」
「なんだ? ゼン! 気にするなよ。おまえも相当な変人だけど、藍莉も相当だから。キモいなんて気にするな」
「淳一、おまえが一番連呼してる……」
「あっ……ごめん、つい。いつもの仕返しとか思ってないからな?」



